CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
PROFILE
OTHERS

CSWブログ

北海道に生まれた民間宇宙開発企業カムイスペースワークス。 略して「CSW」 ブログはこちらに引越しました。
液体のうちは、まだよい(永田、再掲)
2009年に移転前のサイトで掲載した記事ですが、3年サイクルで同じような事が起こるようなので再掲です。北朝鮮の衛星打上げの件です。ミサイルか衛星か、が話題になってるようですが、僕は2009年の打上げも含めて、彼らは本気で衛星打上げロケットの技術開発をしていると思ってます。衛星打上げ技術は弾道ミサイル技術を包含しているにも関わらず平和目的と主張できますから、僕が彼らの立場ならそうします。


液体のうちは、まだよい(永田) | 2009/04/27 14:05

 某関係機関から大学に来客が有り、北朝鮮のミサイルに関してレクチャーをさせて頂きました。主な話題は、北朝鮮の技術レベルがどの程度か、日本への脅威はどの程度か、今後はどのような展開が予想されるか、というようなものでした。情報が限られている中、憶測のレベルを出ない話題が多かったです。そもそも、今回の打上げが成功だったのか失敗だったのかというレベルですら、意見が分かれています。

 成功か失敗かを判断できないのは、それを判断するためにはミッション目的に関する情報が必要だからです。余談ですが、何年か前に、中国が軌道上の衛星を破壊したことが有りました。中国の衛星破壊実験成功と一般的に認識されていますが、有識者の間では、軌道上ランデブー実験に失敗したのではないかという見解が根強いです。成功か失敗かは、何を狙った実験だったのかという前提に依存する一例です。

 個人的な見解としては、2006年も今回も共に、衛星打上げに失敗したのだと思います。ただし、失敗のステージが後ろにずれている。2006年は初段切り離しもしくは二段目の燃焼で失敗していると思います。今回は、二段目の燃焼終了まで成功した可能性が高いです。二段目切り離しもしくは三段目点火で失敗したのではないでしょうか。2006年の失敗原因については対策が完了したのだと思います。着実に進歩しています。

 現状で我が国にどの程度の脅威が有るでしょうか。今回の有事を受けて、日本海には7隻のイージス艦が配備されました。SM3というミサイルで、大気圏外で迎撃することを想定しての配備です。SM3による迎撃成功率は8割だそうです。運用においては、2発ずつペアで迎撃するのだそうで、その失敗率は1/25と計算されます。この迎撃を2回トライすれば、失敗の確率は1/625です。海域に展開する7隻のうち、射程内に2隻いたとすると、失敗の確率は1/40万 くらいになります。イージス艦の配備さえ間に合えば、当たらないわけが無いです。地上に配備されたパトリオットの出る幕は無さそうです。

 問題は、イージス艦を日本海に展開するための充分な時間が有るかどうかですが、偵察衛星でタンクローリーの出入り等を絶えず監視することができれば、大丈夫だろうと思います。というわけで、現状の脅威は対応可能。ただし、偵察衛星による頻繁な監視が必要。ということになろうかと思います。これは、現状のテポドンが液体推進剤を使用しているためです。即応性に優れた固体推進剤ロケット(固体ロケット)となると、こうはいきません。

 筒に火薬を詰めて火をつけるだけの固体ロケットに比べて、液体供給系を必要とする液体ロケットの方が、技術レベルは上であると一般的に思われていますが、必ずしもそうではありません。例えばガザ地区から直ぐそばのイスラエルに飛ばす程度のミサイルであれば、その火薬を作るのは簡単ですが、大陸間弾道ミサイルに用いられる高性能推進剤となるとそうは行きません。一方、液体ロケットも使用する推進剤によって必要となる技術レベルがかなり異なります。

 テポドンはノドンの発展型、ノドンはスカッドミサイルの発展型と言われています。スカッドミサイルも液体ロケットでした。燃料はヒドラジン系推進剤の一つであるUDMH(非対称ジメチルヒドラジン)、酸化剤は赤煙硝酸です。テポドンの火炎の色はこの推進剤の組合せと矛盾しませんので、テポドンもUDMHと赤煙硝酸の組合せを使っている可能性が高いです。

 UDMHと赤煙硝酸は、混合するだけで点火します。このような組合せをハイパゴリック(hypergolic)と言います。液体ロケットのトラブルには点火と保炎に関連するものが多いのですが、ハイパゴリックな組合せではそのトラブルが起こり得ませんので、多少技術レベルが低くても、信頼できるエンジンを作ることができます。ただし、ヒドラジンは猛毒ですので、失敗時に墜落の恐れがある初段エンジンにはあまり使用されません。

 固体推進剤の製造は、大雑把には調合と成型に分けられますが、高性能な固体推進剤であるコンポジット推進薬を製造するための技術課題はこの両方共に存在します。一般的なコンポジット推進薬は、硝酸アンモニウムという白い粉と、アルミニウムの粉末を、末端水酸基ポリブタジエンというゴム状のバインダに練り込んで成型したものです。問題は、練り込む粉の量です。重量比で、全体の85%くらいが粉になるくらい練り込みます。球を面心立方格子で最密充填しても、その体積充填率は70%です。これを超える充填率を実現するため、球の隙間に丁度入り込む大きさの球を、しかるべき比率で配合する、というようなことをやります。直径何ミクロンの粉をどのような比率で調合して練り込むかは、企業秘密です。粒径の管理にも高度な技術が必要です。

 このようにして限界まで粉を練り込まれた推進剤を、大型ロケットの燃焼室に充填して成型するのも大事(おおごと)です。少しでも亀裂が入ると、そこから内部に燃え進んで燃焼面積が増大し、爆発します。微細な亀裂でも検出可能な非破壊検査技術も必要になります。世界最大の固体ロケットを開発した国は日本ですが、これらの技術的裏打ちが有って初めて可能になった偉業です。

 かなり前のことですが、北朝鮮が、アルミフレーム製の自転車や、中古車のアルミホイールを日本から買い漁っていた時期が有ります。こんなに大量のアルミニウムを何に使うのだろうか、と話題になりました。当時は、ミサイルの構造材に使うのではないかという見解が主流でしたが、僕は違う見解を持っていました。ミサイルの構造材にアルミ合金が使われることは、あまり無いからです。何度も繰返し運用される航空機の場合は、構造材を弾性変形範囲内で使用する必要が有りますので、アルミ合金が軽量化の為に使われます。一方、ロケットやミサイルは使い捨てですので、塑性変形域で設計しても問題ありません。この場合、アルミ合金で作るよりも、高張力鋼で作る方が軽くなるのです。今のH2ロケットの固体ロケットブースタはカーボン繊維とプラスチックの複合材ですが、その前、4セグメントに分かれていた頃は高張力鋼製でした。

 構造材以外でのアルミニウムの用途というと、金属燃料が思い浮かびます。なので、コンポジット推進剤の開発に着手したのかな、と思っていたところ、その数ヵ月後、ジェットミルという工作機械を北朝鮮に不正輸出した会社が摘発されました。これが2003年の6月ですね。ということは、2003年の春くらいに、アルミニウムの用途に関する話題が出たのだと思います。で、このジェットミルですが、金属を砕いて粉末にするための機械です。やっぱりコンポジット推進剤の開発に着手したのだな、と思いました。

 北朝鮮のミサイルが固体推進剤を使うようになれば、イージス艦の展開は間に合わず、我が国に打つ手は無くなります。ジェットミル不正輸出事件以来、北朝鮮の固体ロケット開発については情報が有りません。けれども、北朝鮮が固体ロケットを欲しがっていることは間違い無いと思います。少なくもと2003年前後に、北朝鮮はアルミニウムを砕いてみたはずです。その後、どうなったのでしょうか。気になります。
(再掲終わり)

 どうも140文字で呟くことに慣れてしまった今、このブログの使い方を思案中です。滅多に更新されないかもしれませんが、更新時はTwitterでアナウンスさせて頂きますので宜しくお願い致します。
| 社会一般 | 19:03 | comments(41) | trackbacks(0) | pookmark |
情緒がルールを破壊する(永田、再掲)
B型肝炎和解金の財源、増税も選択肢」だそうです。まあ、予想された展開ですね。どこまで補償範囲が広がるか、見物(みもの)です。だからきっちり線を引いとけと言ったのですが、「命の線引き」などと情緒に走った結果ですね。

2007 年の記事ですが、再掲します。福田衣里子氏が薬害被害者に含まれるような線の引き方が、そもそもおかしいのです。


情緒がルールを破壊する(永田) | 私的社会論     2007/12/27 17:32

ここ暫く、近来無かったくらいに脳を絞ってます。知恵熱が出そうです。こればっかりは誰も助けてくれません。自分が知恵を出すしかありません。持ち寄った知恵で仕上げると統一性が毀損されますし、均すとゼロになりかねません。なんてウンウン唸ってるところに、審査しなければいけない書類がキャスターで運び込まれました。高さが14.5 cm有ります(計りました)。ざっと、1500ページです。締切まで一箇月足らず。というわけで、僕の年末年始は無くなりました。ここまで非人道的な状況に陥ったのは初めての経験です。
 
ところで、最近、情緒によりルールが破壊される事件が続いています。薬害肝炎の件と、沖縄戦に関する教科書検定の件です。ここまでルールを守ることに対して鈍感になってもいいものなんでしょうか。前者に関しては三権分立を軽視し過ぎだと思うし、後者に関しては、教科書検定制度を軽視し過ぎだと思います。誰が軽視し過ぎって、マスコミが、なんですが。もはや社会の木鐸の機能を喪失しています。今やマスコミが伝えるのは情緒だけです。単なる情緒拡大装置。困ったものです。
 
薬害肝炎訴訟で先頭に立っておられる福田衣里子さんは、1980年、出生時にクリスマシンを投与されたそうです。フィブリノゲンによる肝炎の集団感染が国内で初めて確認されたのが1986年。米国でC型肝炎ウィルスが発見されたのが1989年。クリスマシンによる集団感染は1989年以前の報告例が無し(C型肝炎ウィルスが発見される以前は、集団感染の発生くらいしか危険を確認する方法は有りません)。そういうわけで、クリスマシンについては国の責任は無しという判例も存在します。
 
福田衣里子さんの場合は、1980年ですので、仮に投与されたのがフィブリノゲンだったとしても厚生省に責任は無いでしょう。ましてや投与されたのはクリスマシンです。仮に未知のウィルスを理由に認可を取り消すべしとするなら、今でも血液製剤は使用不可だし、彼女は出生と同時に亡くなっています(なので、「安易に止血剤として使用されたことによる感染」にも該当しない)。マスコミは、ある時は「危険が有っても助かる人がいるなら認可を急げ」と言い、ある時は「危険を予知できなかった国の責任だ」と言います。情緒のみで書いているからです。困ったものです。
 
話を戻すと、福田衣里子さんについては国に法的責任は無いです。一方で、国の過失が認められるべき被害者も存在します。ということは、この両者の間のどこかに、線が存在します。当たり前のことです。けれども、「被害者を線引きするのはおかしい」という情緒的な主張が行われます。で、マスコミはこの情緒を拡大再生産します。困ったものです。

| 社会一般 | 15:10 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
変えなきゃ馬鹿の壁(永田、再掲)
今日の午後は内閣不信任案の採決ですね。2年前と同種の不愉快な気持ちを抱えながら、関連記事を再掲します。前回は、受験者が二人しかいない面接試験で、一人目の受験者があまりに酷かったので二人目を不問のまま合格者としたら、その合格者が民主党だったわけですが、今回も外で控えてる受験生の顔を見ないまま目の前の受験生を落そうとしてるわけで、学ばない国だなあ、としか言えません。古い記事ですのでリンクが切れています。ご容赦ください。


(以下再掲)

変えなきゃ馬鹿の壁(永田) | 私的社会論  2009/08/23 21:03

 民主党が300議席を超える勢いという世論調査結果が報道されています(例えばこちら)。各新聞社独自に世論調査を行っているような報道ですが、どれも時期とサンプル数と有効回答率がほぼ同じですので、同じ下請け会社の結果を使っているようです。結果を見て、ああ、やっぱりな、と思うことが有りました。例えばこちらの記事に詳細が有りますが、政策に必要な財源をきちんと示しているのは自民が42%に対して民主23%、どちらが政権担当能力が高いかは自民45%に対し民主同32%なのですが、比例選の投票先は民主40%に対し自民24%、首相にふさわしいのは鳩山氏が46%に対し麻生氏が27%なのだそうです。つまり、どちらがよりいい政治をするかよりも、政権を変える事のほうが大事、という方が、かなり多くいらっしゃるみたいです。今より悪くなってもいいからとにかく政権を変えなきゃ、と妄信している方を、政策の優劣で説得するのは、かなり困難です。僕はこれを「変えなきゃ馬鹿の壁」と呼んでいます。
 
リーマンショック以来の不況は、100年に一度の世界不況と呼ばれています。前回の世界恐慌以来の不況であるということです。前例が有るのですから、まずは歴史から学ぼうというアプローチは有効であろうと思われますが、今回はそう単純ではありません。1920年代後半の金融恐慌は、金本位制の時代に起こりました。対して今回は、ドルと金との交換が停止されたニクソンショック以後に初めて起きた世界不況です。金本位制であれば、緊縮財政により金の流出を抑えるのが通貨安定の常道なのですが、世界恐慌の元でどのような経済政策を取れば不換紙幣の価値を安定させることができるのかについては、世界はほとんど無知というのが実情です。
 
唯一、参考になる事例が、1990年代の日本の不況です。多大な犠牲を払ってこの不況を克服した日本が得た教訓は、今や世界の財産です。この試行錯誤の経験を元に、麻生政権は今回の危機の処方箋を作り、2008年11月にワシントンで開催された金融サミットに臨みました。麻生総理自らの各国トップへの直談判により、各国が協調して財政出動を行うことを説得して周り、その原資としてIMFに1000億ドルの資金提供を申し出ました。これに対してIMFのストロスカーン専務理事は「人類の歴史上、最大の貢献」という最大級の賛辞で謝意を表明しています(記事はこちら)。
 
ニクソンショック以後の、バランスシート毀損(収益を借金返済に回さなきゃいけない状況)に起因する不況は、どのような金融政策をもってしても脱出できません。麻生総理は繰り返し、金利をゼロにしても借り手が出てこない状況においては金融政策は無力である、と述べています。その通りです。唯一可能な対策が財政出動なのです。この時期に、金融政策が無力であることを知っている政治家をトップに戴いていた我が国は、なんて恵まれていたことでしょうか。昨年から国際会議で示され、世界中で採用されている対処法は 、麻生総理指導の下、閣僚・官僚主導による提案そのままであり、これにより世界と日本は、当面の経済悪化を食い止めています。民主党はこれにことごとく反対してきました。
 
今は麻生総理の対策が功を奏して経済が回復に転じ、このまま対策を続ければ数年後には危機を脱することができると思います。しかし、ここで民主政権になると、間違いなく経済は悪化します。それも壊滅的な悪化です。民主党は、政権を取ると、現在経済を下支えしている予算を停止するそうです。これにより、直ちに雇用悪化と中小企業の連鎖倒産と需要縮小とが起き、互いに連鎖し、今まで誰も見たことが無いようなデフレスパイラルになります。無駄遣いを無くして12兆円の財源を確保するのだそうですが、税収が20兆円減少する中でこの議論は吹っ飛ぶと思います。
 
というような話をしても、変えなきゃ馬鹿の壁を崩すのは難しいです。唯一の慰めは、民主党政権の下で訪れるであろうデフレスパイラルの惨禍を、変えなきゃ馬鹿も一緒に受けるであろうということです。ご愁傷様。でも僕も付き合いますのでご心配なく。
 
かなり機嫌悪いです。民主党の政策を評価した上での支持であれば、ここまで腹は立たないのですが。

| 社会一般 | 08:41 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
消費税を上げろ!の補足(永田)
  仙台市民さんから頂いたコメント(被災者からも取るなんてヒドいですね。)への返信が長くなりそうですので、エントリに改めます。

 結論から言うと、被災地も含めて一律に引き上げて復興支援で還付すべきと考えています。大前研一氏も消費税引き上げによる復興資金確保を提言されていますが、彼は被災地からの消費税引き上げは免除、というご意見のようです。この点で僕と彼は意見が相違します。被災地も含めて一律に引き上げるべきと考える理由は、消費税の最大の利点である「極めてシンプルな制度」という利点を守るためです。被災地に新たに課される負担は、支援の段階で解消可能です。

 被災状況に応じて負担を免除するというのは、いざ実行しようと思うと難しいです。被災地の店舗に買い物に来る人全てが被災者ではありません。被災地内部でも被害状況に差が有ります。納税者番号制度が成立していて、被災状況が全て登録済みで、人頭税方式で、というのが理想解なのですが、残念ながら納税者番号制度は未だに未整備なので(これに反対する人が僕にはどうしても理解できません)、実施不可です。消費税で薄く広く集めて、被災状況を考慮しない不公平は支援の段階で解消、というのが、最も実現可能な次善の策だと思います。

 復興支援を、直接税ではなく間接税の増税により確保すべきと主張するのも、いくつか理由がありますが、最大の理由は、地下経済からも徴税できることです。これは消費税の大きなメリットです。税務署が把握しているキャッシュフローの総額は、恐らく、地下も含めた実体経済の半分がいいところだと思います。消費税であれば、復興支援を日本の経済活動に参加しているプレイヤー全員で分け合うことができます。

 余談ですが、戦後復興の頃、闇市を中心に経済規模を膨らませた地下経済が表の経済規模を凌駕していた時期があります。この地下マネーを表の経済のキャッシュフローに引っ張り込んで復興の原資にするために導入された制度の一つが、無記名式の割引金融債、例えばワリシンだったそうです。佐川急便事件の際、当時自民党の副総裁だった金丸信の金庫から大量に出てきたことでも有名ですね。金タ丸ワリ信、なんて言われてました。この地下マネー、今は小沢氏が引き継いでいるというのが専らの噂です。因みに、僕が自民党を支持するようになったのは、この地下マネーとの縁が自民党から新進党(から自由党を経由して今は民主党)に移ったと想像された後に成立した小泉政権以降です。
| 社会一般 | 17:23 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
勝手に納税制度(永田)
  皆様、「消費税を上げろ!」への賛同と拡散有難うございます。引続き拡散をお願いしたいです。実際に消費税が復興予算目的で引き上げられるとしても時間がかかると思いますので、それまでの対応策として「勝手に納税制度」というのを考えてみました。ふるさと納税制度をヒントにしています。

 ふるさと納税制度というのは、住民税の一部を自分が選択した自治体に納めることができる制度です。納税先を選択できるという意味では画期的な制度ですが、これを更に進めて、税金の用途まで選択できる税制というのは無いものかなと考えたところ、とても簡単なことに気付きました。勝手に増税すればいいのです。

 というわけで、うちは一足先に消費税を6%にします。そのうち1%分は誰も徴収してくれないので、自分で徴収します。毎月末、支出を総計し、その1%が「勝手税」として徴収されます。この税金は誰も予算化してくれないので、予算案の作成も自分でしなければいけません。どこに寄付するか、月に一度の家族会議です。つましい家計なので小額ですが、最低でも5年は続けねばいかんだろうと思いますので、この程度で良しとします。徴収開始は今月です。年度明けを待ちません。予算案審議?勝手にやってれば?です。

 本件につきましても、賛同頂ける場合は拡散をお願いします。合言葉は、「おたく、まだ5%なの?」でどうでしょうか。
| 社会一般 | 21:17 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
消費税を上げろ!(永田)
  年度末ということで、一昨日、昨日と続けて送別会でした。自粛することなく実施されましたが、ススキノは閑散としています。過度の自粛が進んでいるように思います。今朝、大学から節電を呼びかけるメールが全教員に配信されていました。削減目標20%で、逐次、達成状況をメールで配信するそうです。北海道から東北への送電能力は100万kWにも達しないくらいの貧弱なもので、北電はそれを遥かに上回る発電余力を有していますので、北電は節電の呼び掛けを行っていません。要するに、道民がいくら節電しても被災者への貢献はゼロです。自己満足したければ節電すれば?と思います。そういうわけで、研究室内にこのメールを転送する気になれませんでした。

 国民が消費を自粛すると、経済規模が縮小します。その結果、税収が減ります。阪神淡路大震災で復興予算として国から投じられた総額は5兆200億円だったそうです。今回はそれを上回る被害が出ていますので、10兆円規模の国費が必要でしょう。なのに経済規模が縮小して税収が落ち込むとすれば、国債の発行で復興予算を賄うしか手が有りません。恐らく買い手が不足しますので、かなりの額が日銀引受になると思います。禁じ手と言われている日銀の直接引受をこの規模で実施すれば、モラルハザードにより円の信認は崩れるでしょう(現政権にそもそもモラルが有るのかという議論は有りますが)。

 経済を縮小させてはいけません。過剰な自粛は被災地の復興を遅らせます。けれども、被災者が物資不足に耐えている中で、繁華街に繰り出して酒を飲むという行為が憚られるという気持ちも理解できます。ゴルフ場も閑古鳥が鳴いているそうです。被災者の厳しい状況がテレビ画面に溢れている中でゴルフを楽しむ気になれないのも、理解できます。それでも、国民が普段通りの遊興を続けることが経済規模を維持し、国難に立ち向かう国力に繋がることも、また事実なのです。

 国民が普段通りの経済活動を続けることの罪悪感を払拭し、かつ、復興予算を確保する一石二鳥の手が有ります。消費税を引上げ、増収分の全てを復興予算に充てるのです。我々が支払う金額の一定割合が常に、被災者のために使われます。全ての消費活動が寄付行為になるのです。被災者に気持ちを寄せながら消費活動を行う。これを実現するために是非、消費税を上げて頂きたい。

 現在の消費税による収入は、おおよそ10兆円だそうです。1%上げれば、2兆円の増収になります。復興予算の総額を10兆円としても、5年で回収できます。5年で償還する国債を10兆円、一気に発行するという手もあります。償還期間と財源が決まっている国債なら、市場は安心して買います。通常であれば消費税の引上げは消費を冷やしますが、今回は被災者への寄付と同義ですので、日本人であればむしろ積極的に消費するでしょう。消費税の引上げが消費を刺激するという、稀有なチャンスが今なのです。

 政権が消費税引上げに躊躇する理由は一つしかありません。国民の反発です。なので、国民の側から「消費税を上げろ!」と政権を突き上げれば、彼らが消費税引上げに躊躇する理由は無くなります。国民が声を上げればいいのです。

 何かしたいのに何もできないという焦燥感にはもうお腹一杯です。政府は早急に、国民全員が被災者のために貢献できるシステムを作るべきです。

「政府は消費税を上げろ! 被災していない国民は消費しろ!」

賛同頂ける方は、拡散にご協力ください。
| 社会一般 | 19:27 | comments(35) | trackbacks(0) | pookmark |
祭り好き(永田)
 名古屋市長は河村氏が当選。愛知県知事も河村氏推薦候補が当選。名古屋市議会の解散にも成功。河村氏は過去最高得票の前回を超える新記録です。愛知県は前回の衆議院選挙で民主党が小選挙区を独占してるのだとか。騙されやすい有権者が揃ってるということですね。祭りの雰囲気に乗せられて踊らされて騙されやすい気質って、尾張と三河のどちらに起因するんでしょうかね。ふなはしさんに聞いたら「尾張に決まってるでしょ」と言われそうですが。

 減税に賛成か反対かと聞かれたら、誰だって賛成だわな。だからこそ減税とか社会保障拡充とか年金とか手当とか戸別所得補償とかで選挙を戦うのは禁じ手(有権者を買収するのと同じ)と言われてるんだけど。今回も騙されたーってならなきゃいいですね。

 マスコミも河村氏を支持してますね。怪しいなあ。一年半前に見たような光景だなあ。こういうのをツイートすればいいのかなあ(未だにツイートデビューできず)。

| 社会一般 | 08:05 | comments(5) | trackbacks(0) | pookmark |
八百長と経済学(永田)
  ご無沙汰しています。本年初の書き込みです。大相撲の八百長疑惑が疑惑じゃなくなってしまった件が話題になっていますが、去年の5月に取り上げた「ヤバい経済学」を思い出しました。相撲に八百長が存在することを統計学的手法で明らかにした章が有るのです。これを思い出したのは僕だけじゃないようで、過去1週間でググるだけで788件ヒットします。こちらが纏まっていて概要を理解しやすいです。

 本編にはまだ続きが有りまして、ある部屋の勝星を、同部屋の力士が返していると理解できるデータも示されています。つまり、星の貸し借りは部屋単位で行われているということです。また、統計データから判断すると、八百長の2/3は金銭の授受、残りの1/3は星の貸し借りで行われているようです。

 この章で相撲が扱われているのは半分だけで、残りの半分は教師が生徒の解答を捏造して平均点に下駄をはかせたかどうかを、解答のパターン分析から見破る「インチキ発見アルゴリズム」について書かれています。今話題になっている八百長の話よりもこちらの方が遥かに面白いです。この機会に(何の機会だかよくわかりませんが)一読されることをお勧めします。
| 社会一般 | 12:25 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
論文捏造(再掲、永田)
  知り合いの番宣を兼ねて過去記事を再掲します。NHKのBSハイビジョンで「BSベストオブベスト」という企画が行われており、これまでBSで放送されてきた名作を選りすぐって再放送しているのだそうです。その一つとして、12/26(日)深夜0:30〜2:00頃(日付では27日)に、「史上空前の論文捏造」が放送予定とのことです。この番組には50分バージョンと90分バージョンがあるのだそうで、今回再放送されるのは90分バージョンの方だそうです。

 というわけで、この番組に関連した過去記事を2件サルベージします。「論文捏造」も「大本営参謀の情報戦記」も大学の僕の部屋の前に置いてありますので、読みたい人は横に置いてある貸出簿に記名して持って行ってください。


論文捏造(永田) |  2007/05/11 12:48

 先月発売された週刊現代で、NHKの「ためしてガッテン」で捏造が行われたと報じられました。NHK側が週刊現代に抗議し、対して週刊現代から反論が無いという状況のようですが、僕は報道の当初から週刊現代の誤報だと確信しています。この番組が捏造をする筈が無いからです。どうしてそう断言できるのかというと、「ためしてガッテン」は大学の後輩が担当していて、彼は「論文捏造」の著者でもあり、他の誰よりも捏造行為を問題視してきたディレクターだからです。
 
 その彼、村松 秀(むらまつ しゅう)氏ですが、科学ジャーナリスト大賞を受賞したというニュースが飛び込んできました。この場を借りてお祝い申し上げます。この賞に値する素晴らしい仕事だったと思います。こういう仕事をしてくれる科学ジャーナリストを、我が国はもっと必要としています。理系からマスコミに飛び込む人がもう少し増えてもいいんじゃないかなと思います。
 
 先日、彼とメールのやり取りをしていて話題になったのですが、科学雑誌に掲載されることの意味について、僕たち研究者と一般の皆様との間にはギャップが有るように思います。僕も論文の査読をする立場になることが多いですが、査読者には論文の捏造をチェックする義務は無いと思っています。雑誌の編集委員会にもその義務は無いと思っています。では僕は何に注意をして査読をしているのかというと、データの解釈に誤りが無いかということと、追試験が可能なだけの情報が与えられているかということです。捏造の有無のチェックは、雑誌に掲載された後に、世界中で行われるのです。ところが世間的な常識では、捏造の有無のチェックは雑誌に掲載される前に行われていると信じられています。「雑誌に掲載されたのだからそれは事実だ」というのが世間一般の常識なのですが、研究者の世界では、「雑誌に掲載されたのだから評価(捏造の有無のチェックを含む)が世界中で可能になった」という受け止め方が常識なのです。雑誌の権威は科学的真実の保証に関与しない、というのは、科学的真実を無上の価値とする研究者コミュニティのモラルでもあります。
 
 「論文捏造」ではベル研究所を舞台に行われた史上最大規模の論文捏造事件を扱っていますが、その中で指摘されている編集委員会側の問題は、世界中から追試に関する問題を指摘されているにも関わらず続報を掲載し続けたことで、捏造を見抜けなかったことではありません。編集委員会が、「追試や評価が可能な状況を保証する」という責任を怠ったところに問題があるんだろうと思います。という点で、その時のやり取りでは意見の一致に到りました。
 
実は来週、彼の講演会が札幌で予定されています。数年振りに会える予定で、今から楽しみにしています。


わからなさ(永田) |     2007/05/18 07:26

 昨日は村松秀氏の講演会でした。16:30からの一般講演と18:30からのCoSTEPセミナーを合わせて、3時間以上彼の講演を聞いていたことになりますが、あっという間に過ぎた時間でした。
 
 何度も出てきたキーワードが、「わからなさ」でした。彼が制作に関わった番組は科学番組からスポーツ(ラグビー日本代表等)や芸術(迷宮美術館等)まで幅広いのですが、一見無関係に見えるこれらの番組には製作者なりの通奏低音が有って、それが「わからなさとどう向き合うか」ということなんだそうです。詳しくは前回もリンクしたこちらの記事をご参照ください。
 
 日本人はわからなさと向き合うのが苦手だ、という指摘が有りました。わからない部分が残ったまま判断を迫られるとパニックに陥る、というような意味で僕は理解しています。実はサッカーやラグビー等の集団球技では、選手は次々とこのような判断を迫られます。特に最後の得点の場面がそうです。サッカー日本代表の得点力不足には根深いものが有ります。
 
 教養課程から航空学科に進学してすぐに受けた授業で印象深いものがあります。こんな話でした。航空機の不具合は大規模な死亡事故に繋がりやすいので、品質管理が特に重要だ。1/10の不具合率を1/100に落とすのは簡単にできる。1/1000に落とすのは多少のお金がかかる。1/10000に落とすにはもっと費用が必要だ。一方、事故の発生はメーカーの損失でもある。だから品質管理はメーカーにとって負担だけれども、一方で損失を避けるという利益をもたらす。そこには最適値が存在する。その最適値で品質管理をすべきというのが米国流の考え方だ。僕はこれは悪魔の設計だと思う。航空機の品質管理に最適値なんて無い。君たちは絶対にこういう設計をしてはいけない。
 
 当時は当時なりの感銘を受けた講義でしたが(20年以上過ぎた今でも覚えているくらいですからね)、今思い返してみると、わからなさ(リスク)を冷徹に管理するアングロサクソンの凄みを感じます。品質管理に対する日本人の考え方は穢れを嫌う大和心に通じており、日本品質が世界を制覇する原動力になりました。品質管理に対する日本と米国のモラルの違いは優劣で語れるものではないと思いますが、わからなさを冷徹に管理する能力にかけてはアングロサクソンに一日の長が有るように思います。
 
 断片的な情報の中で次々と判断を迫られるという状況は、戦争での情報戦においても起こります。太平洋戦争後期に大本営の情報参謀として活躍した堀栄三氏による「大本営参謀の情報戦記」という本が有ります。断片的な情報を線で結び、判断するという作業は「わからなさ」との戦いでもあります。これも日本人が苦手とする作業の一つです。堀栄三氏は、当時米国が計画していた本土上陸作戦(オリンピック作戦)を、その時期(1945年11月)から上陸場所(大隈半島志布志湾)まで正確に予測し、そのあまりの正確さから戦後にスパイ容疑でGHQに連行されたほどの業績を挙げた方です。日本人として稀有な人物だったと思います。
 
 わからなさの話を複雑にしているもう一つの話として、わからなさを逆手に取って政治的な扇動を行う御用学者の問題があります。典型的なのはダイオキシン騒動とか劣化ウラン弾バッシングですね。日本ではイラクで使用された劣化ウラン弾が現地で白血病の悲劇を引き起こしているという信じ難い話が真実として流布するに至っています。腎機能障害を伴う白血病という症状は油田火災でばら撒かれたベンゼンにより引き起こされる中毒症状の一つで、また、白血病患者が集中している地域は、かつてフセイン政権によって化学兵器が大量に投下された地域と一致するにも関わらず、原因として白血病との因果関係を確認された例が皆無の劣化ウランを真っ先に挙げるのは不自然です。科学的真実を無上の価値とする研究者のモラルを捨てた御用学者は、もはや研究者ではないと思います。
 
 昨日は一次会が始まったのが21:00で、村松氏が二次会に連行されるのを見送ったのが24:00近くでした。その後いつまで盛り上がったのでしょうか。

| 社会一般 | 07:44 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
続・「命が一番大事」という神話(永田)
 「命が一番大事」という神話に高橋さんから頂いたコメントへのレスが長くなりそうなので、エントリに改めることにしました。レスしたいのは以下の部分です。


 命は大切です

 それは「あなた」の命が大切なのであって「わたし」の命が大切なのではないです。


多分、同じことを言っておられるのだと思いますけど、僕は、自分の命を大事にするのは自分のためではないと思っています。

 命の大切さというのは、人との繋がりから生まれてくるものだと思います。自分を大事に思ってくれる人の存在を意識できれば、自分の命を大切にしなきゃ、って思えます。命が大事だから大切にするのではなく、その人が大事だから大切にするのです。その人というのは、親であったり、家族であったり、友人であったり、恋人であったりします。同時にその人たちは、命を懸けてでも守りたい大切なものでもあるかもしれません。

 「全ての命は掛け替えの無いものだ」という言葉には、大事な部分が欠けています。正しく補えば、「全ての命は誰かにとって掛け替えの無いものだ」と言うべきなのです。このように正しく補ってもまだ、このような血の通わない一般論が子供の胸に届くことは少ないでしょう。

「君たちの命は、掛け替えの無い大事なものなんだよ」という言葉が子供たちの胸に届かない理由は、その言葉が人との繋がりを連想させないからです。せめて、「掛け替えの無い大事なもの」の前に「僕にとって」と付けろと言いたいです。それを付ける覚悟が無いなら最初から何も言うな。子供たちが欲しているのは自分を大事に思ってくれる人の心であって、命の大切さなどという血の通わない一般論ではないのです。

 ちょっと想像してみてください。「君の命は掛け替えの無い大切なものなんだよ」という言葉と、「僕は君のことをとても大切に思ってるよ」という言葉の、どちらが子供の胸に届くでしょうか。自分を大切にしなきゃ、と子供に決意させる言葉はどちらでしょうか。僕は後者だと思います。こういうのが本当の「命の教育」なんじゃないでしょうか。


| 社会一般 | 09:52 | comments(5) | trackbacks(0) | pookmark |