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CSWブログ

北海道に生まれた民間宇宙開発企業カムイスペースワークス。 略して「CSW」 ブログはこちらに引越しました。
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再掲:データと解釈(永田)
 「メディアリテラシーの基本は、事実と解釈を分けて読むこと。上越新幹線の例では、「高架橋を高速走行中に中越地震に被災し、脱線した後停止。死傷者ゼロ」という事実を拾い、解釈は自分でする。メディアの解釈部分は有害である場合が多いので、原則として捨てる。」

 4/14 にこんなTweetをしました。「上越新幹線の例」というのは、高架上を高速走行中に被災しながら、死者を一人も出さずに停車することに成功した上越新幹線を、当時のメディアは「新幹線が脱線事故!」と報じ、安全性能を称えた報道が殆ど見られなかったことを指します。本件については失敗学で有名な畑村先生が以前から指摘されていたことですが、該当するインタビュー記事を見つけました。詳しくはこちらをご参照ください。

 メディアリテラシーを身に付けるには、事実と解釈を切り分けて読み取る訓練を重ねるのが一番です。これに関する過去記事(移転前に掲載したもので、既に消えているもの)を以下にサルベージします。


(以下再掲)
データと解釈(永田) | 2009/09/13 17:15

 研究者として仕事をしていると、グラフの見方が鍛えられます。研究データを表現する上で、グラフは万国共通の言語のようなものです。多くのグラフでは、実験や計算のデータがXY座標上に点で示されています。線が引かれている場合も多いです。グラフに描かれるプロットと線。データの表し方が違うだけかと思ったら大間違いです。両者は全く異なるものです。プロットはデータを表します。線は、研究者の解釈を表します。この違いを理解せずに不用意に線を引くと、その道の先達から痛い突込みを受ける、なんていう光景を、学会ではよく目にします。
 
 例えば、横軸に燃料と空気の混合比、縦軸に火炎の伝播速度をプロットします。最適な混合比で、伝播速度は最大になります。実験結果は山なりに点が散らばります。けれども、実験には誤差が付き物ですので、各点の位置は真の値ではありません。それを見越して、各点の近傍を通る滑らかで山なりの線を引きます。この線は、「実際の火炎伝播速度は混合比に対して滑らかに変化する筈である」という研究者の解釈です。ここで、各点を直線で結んで、各点で微分不可能なガタガタの線を引こうものなら、「火炎伝播速度が混合比に対してそのようなガタガタの線になると主張する根拠は何ですか?」と質問されること請け合いです。更に酷いのになると、例えば水素、メタン、エタン、エチレン、プロパンの伝播速度をプロットして、その間を線で結んだりします。線を引くということは、その線上には連続的に値が存在するということを意味します。燃焼関連の学会で、水素とメタンの間のデータは何の伝播速度を表すのですか?とN岡先生に聞かれて絶句した学生を見たことがあります。
 
 グラフに限らず、全ての論文はデータとその解釈により構成されています。研究者が論文を読むときには、この両者を切り分けるという作業を必ず行います。与えられた情報を、データと解釈に切り分ける作業というのは、自分の頭で考える習慣を身に付ける上でとても大切なものなのですが、これを意識して情報に接している人というのは残念ながら少数派です。我々が接する情報には、データ(事実)と、記者の解釈が混ざっています。新聞を読むとき、テレビのニュースを見るとき、これを意識しているだけで、全く違う世界が広がります。更に一歩進んで、情報からデータを切り分けた上で、そのデータの一次資料を確認する習慣が身に付けば完璧です。

(再掲ここまで)
| エンジニアリング | 11:45 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
私の論文の読み方なんですが
「分からないものは分からないで論文を読む」ことにしています

ものすごく良くないですが、「えへへ、これでいいや」と思っています

CADのシステムなどを研究した論文などがあり、ファイルやデータベースの構造などを「どうだい!」と言う感じで書いてある論文があるんですよ。

分かる人には分かるんだろうけど、おらはそんなもんわからん。

「とてもご苦労されてDB設計されたようですが、どういったところを工夫されたんですか?それでどういう風に便利になるんですか?」という物が読み取れない論文はだめという風に考えています。
| 高橋徹哉 | 2011/04/20 12:49 PM |
メディア・リテラシーとデータの読み方についてのご示唆ありがとうございます。
震災後、様々な情報が混在し、記者クラブと東電や官邸の茶番が声高に言われています。かといって、ネット情報が正しいのか?フリーランスの記者が正しく専門知識に基づいてほうどうしているのか?とても疑問に思っていました。
悶々として、久しぶりに訪問してみて、私の感じていることを文章にしていただいている!ので、嬉しかったです。「データと解釈を分けて読む」実践します!

論文は卒論以外書いた事はありませんが、経済の論文もデータの扱いが重要です。地域経済で書きました。農業センサスという集落ごとに収集した産物ごとの収穫量等を見比べ、区長を訪ねて、集落の様子を聞き取る。地道な作業でしたが、面白かったです。内容は目次を見れば分かる。と言われました。
そうそう、私の指導教授は今、北大にいらっしゃると思います。佐藤誠先生です。リゾート開発バブル時にご指導いただきました。
| 松末和代 | 2011/04/21 2:19 AM |
>悶々として、久しぶりに訪問してみて、私の感じていることを文章にしていただいている!ので、嬉しかったです。

有難うございます。サルベージした甲斐があります。
| 永田 | 2011/04/23 6:19 PM |









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