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CSWブログ

北海道に生まれた民間宇宙開発企業カムイスペースワークス。 略して「CSW」 ブログはこちらに引越しました。
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成功(植松)
 羽田から千歳に到着。
千歳から札幌を目指すものの、札幌は大雪ですごいことになっています。
歩く速度で講演の会場を目指します。
1830から講演開始。2030に講演を終えて、
2100から赤平を目指します・・・が、
札幌市内は夜の除雪の真っ最中。身動きがとれない・・・。
やっと高速道路にたどり着き、状況を確認すると、閉鎖されていない。
だめなら千歳まで戻って、裏道で突破かと思っていたけど、
その選択はしなくてよくなりました。
しかし、高速道路は猛吹雪。

やっと赤平にたどり着き、大樹町に行く為の冬装備を探します。
どこにしまったっけ・・・。

赤平をでて、大樹町までの道のりも、猛吹雪。
峠を越えたら、やっと少しまともになりましたが、今度は燃料が無い。
しょうがないから帯広で降りて、燃料を補給。
その段階で気温はマイナス19度。
うっかり、値段につられてセルフのガソリンスタンドに入ったら、
係のおじさんが出て来てくれて、説明が長い・・・
おまけに、ガソリンの吐出量が少ない。
まてどくらせど、燃料が入らない。
さむいっちゅうねん!
満タンをあきらめて、48リットリで力つき、出発。

ようやく、打ち上げ準備も整いつつある大樹町に到着しましたが、
気温はマイナス21度。
以前の打ち上げで、気温が低くて電子部品が動作せず、パラシュートが開かなかったことがありました。
以後、電子部品の試験は、マイナス35度で行ってはいますが、
実用上は、マイナス15度以下の場合は、打ち上げしないという基準を設けました。

ちなみに、マイナス20度というと、どうなるかというと、
(1)持ち込んだ灯油のジェットヒーター類が点火できない。
灯油がシャーベット状になってしまいます。タンクが小さい場合は特に影響を受けます。
(2)空気で動くアクチュエーター類が、しぶくなる。
擦り合わせ部分の油分が凍るのでしょうか?東部戦線のようです。
という、実害が出ます。
また、鉄は強度が低下します。油圧ショベル等でも、衝撃で部品が折れるトラブルが
生じることもあります。
まあ、過酷な世界です。

状況を判断し、朝一番の打ち上げは中止。
気温とにらめっこで打ち上げ準備を始めます。
でも、快晴。星が美しい。
そして、ほんのりと明けてくる東の空のなんと美しいことか。
まわりは雪原です。静寂に包まれています。
(雪が音を吸収するため)

0650、太陽が昇り始めます。
なんて暖かいんだろう。
太陽信仰が生まれる訳がわかります。

0840、気温はマイナス14度。
ゴーです。
即座に、シーケンスが始まります。
マイナス14度で、「暖かい」という台詞が出ます。
人間の慣れとは恐ろしいです。

てきぱきとした作業のため、手袋もせずに作業するメンバーを見て、
植松電機魂の継承を喜びます。
(もちろん、細かな作業のときに、素早く手袋を脱ぎさえすれば、
手袋していても大丈夫です。だから僕は、ゆるくて暖かい手袋をします。
いざという時は、手を振るだけで手袋を落とせます。)

そして、カウントダウンが始まります。
昔から僕らのロケット教室や、コズミックカレッジに参加し続けてくれている
中学生が作ってくれた音声装置が、冷静に作動します。
そして打ち上げ。

快晴の青空に、白い機体が轟音とともに上昇して行きます。
祈る気持ちで見つめます。
頂点付近で、一段目のフェアリングがきれいに左右にわかれ、
小型パラシュートが放出されたのが見えます。
ここまでは、今までもうまく行っている所です。
ここからが勝負です。
小型パラシュートが開くショックに、二段目のフェアリングが耐えています。
きれいに縦の姿勢のまま、ロケットが降下してきます。
後ろで、「分離!」というS君の鋭い声。
二段目のフェアリングが切り離され、大きな鮮やかな色のパラシュートが
どかんと展開します。
待ちに待った、瞬間です。

後ろで、うちの会社のメンバーの叫びにもにた歓声が起こります。
僕はカメラのファインダーで、その美しい姿を見つめます。

ロケットの着地を確認。
でも、まだシーケンスは続きます。
ロケットは、予定通り、目視できる範囲に着地しました。
でも、方位角の測定です。
前回、探すのに苦労した反省から、やぐらを組み、その上からビデオ撮影して、
ロケット着地の方向を記録しました。
それがすんでから、二機目の準備です。

二機目は、基本的には、二段式分離機構の再現性確認の機体ですが、
パラシュートの大きさや、パラシュート展開のタイミングを変えています。
その影響を、機体に搭載した加速度センサーやカメラ等のデーターとして、
記録し、次の大型化に活かすためです。

二機目の打ち上げは、十分暖かくなってからで、楽です。
二機目も、青空に吸い込まれて行きました。
そして、地上付近で二段目のパラシュートを展開。
風にほとんど流されない、ロケット回収システムの試験は無事に終わりました。
あとは、データーの分析が待ち遠しいです。

機材を回収して、片付けて、発射場を後にしたのは、1300でした。

そして、帰り道。
いやー、徹夜はこたえます。
でも、なんとか無事に赤平に帰着。
みんなも無事に戻りました。
やっと眠れます。

実験の概要はこんなとこです。
詳細は、HASTICから報告されると思いますので、そちらを参照ください。
この記事は、僕の時計を元にし、僕の記憶で書いています。だから、
不正確な部分もあると思います。

明日は、函館。
明後日は。北見。
今週は、その後は、旭川、札幌、道内にはいられますが、
赤平にはなかなかいられません。
道内は今年は雪が多いから移動が大変です。

でも、実験がうまくいってよかったです。
多くのデーターが得られたと思います。
心配して下さっていた皆さんにも、感謝です。
はるばる見に来て下さった皆さんにも、感謝です。

感謝は、行動で返します。
前進します。




| - | 06:38 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
実験にかける想い、そしてあるべき姿で実験が成功したことが伝わってきます。

このような積み重ねを経て、宇宙へと飛び出すのですね。

でも徹夜での雪道走行など、あまりにも過酷なスケジュール…

つなぎ中毒と自負される植松さん、今年も十分気をつけてご活躍ください。
| まっすぐ | 2011/01/23 3:55 PM |
ガソリンスタンドの場所がなんとなくわかります
あそこより向かいの「えっ○」のほうがいいです

| 高橋徹哉 | 2011/01/23 5:19 PM |
わたしは
寝坊して見にいけませんでした・・・

翌日のかちまいに3面ですが開傘したCAMUIが蒼空をバックに写っておりました。

植松さんは寝るところでちゃんと寝てくださいね。
| 高橋徹哉 | 2011/01/25 12:50 PM |
植松さん
本もDVDも拝見して、とても感動しました。
先日感動した長男がお手紙を出しましたが(千葉のひろとです)読んでいただければ幸いです。
植松さんの講演会や、ロケット教室のスケジュールはどこでわかるのでしょうか・・・

長男は今年の夏休みには植松さんにロケットエンジンの作り方を教わりに行く気でいるようです。
植松さん、植松電機のみなさん、宜しくお願いいたします。
(冬は行けません・・・しもやけになるので)

アラフォーの私ですが、これからでも宇宙を目指して頑張ろう!と思います。
夢に終わりはありません。
何ができるかはわかりませんが、とりあえず進んでみようと思います。

たくさんの勇気と感動をありがとうございました。
| エルモ | 2011/01/26 1:41 PM |









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